メニュー

循環器科

循環器とは血液が循環する器官であり、心臓と血管のことを意味します。心臓がポンプとして血管がパイプとして機能し、全身の静脈血を回収して肺に送り、ガス交換した動脈血を全身の組織に届けています。

循環器疾患とは心臓と血管の病気のことで、心疾患と血管疾患に大別されます。心臓は構造的にも機能的にも非常に複雑であり、心筋の異常・弁の異常・脈のリズムの異常・全体の構造の異常などから様々な心疾患があります。そして高度な心疾患はどれも死に直結する怖さがあります。

また、血管も大動脈から各組織の動脈・静脈まで多くの種類があり、その数だけ血管疾患があります。血管疾患も頸動脈や肺動脈といった重要臓器に流れる血管の異常では重篤な転帰を辿ることがあります。

当院では循環器専門医・超音波専門医が診察・検査を行い、循環器疾患の早期診断と適切なリスク管理を提供いたします。

虚血性心疾患

虚血性心疾患とは心臓の筋肉への血流が低下することによる疾患です。

主に心臓を灌流する冠動脈が狭窄することが原因で、「狭心症」や「心筋梗塞」が含まれます。

急速に進行した場合は、胸の痛みや締め付けるような圧迫感を自覚しますが、慢性に経過した場合はほとんど症状がないこともあります。

虚血性心疾患は日本人の死因のトップ3に含まれる疾患であり、早期診断と適切なリスク管理が必要となります。

詳しくはこちら

不整脈

不整脈とは簡単に言うならば脈の異常による疾患です。

心筋細胞は電気的な刺激によって収縮し、その心筋細胞がタイミングを合わせて収縮・弛緩することで心臓のポンプ機能が発揮されます。この心筋細胞が電気的に協調するシステムを刺激伝導系といい、刺激伝導系の異常によって起こった疾患を不整脈といいます。

不整脈は、心臓がしゃっくりを起こしただけのような軽いものから、常に突然死のリスクを伴う重篤なものまで幅広い疾患がありますが、正しく診断するには心電図でみつけることが必須となります。不整脈の診療においては、危険な不整脈があっても心電図で異常な波形が捕まえられないと診断できないといった難しさがあります。さらに不整脈を抑える薬には、他の不整脈を誘発させる副作用(催不整脈性)があり、不整脈の薬物治療には専門的な判断を要します。近年はアブレーション治療やデバイス治療などの非薬物療法の発展も著しく、その適応の判断や治療後の管理も専門医でないと難しくなってきています。

詳しくはこちら

弁膜症

弁膜症とは心臓の中にある弁の異常による疾患です。

心臓の中には血液の逆流を防止する弁が4つ配置されており、この弁によって心臓が1回収縮・弛緩するだけで①全身から静脈血を回収して肺に送る、②肺でガス交換した動脈血を全身の組織に送り出す、の2つのポンプ機能を発揮できるようになります。心臓の弁が何らかの原因で開かなくなったり(狭窄症)、正しく閉じなくなったり(閉鎖不全症)する状態が弁膜症です。

軽症の場合は無症状で治療の必要がないことが多いですが、重症では弁置換術などの手術を要することがあります。診断には心エコー検査による弁形態の観察と血行動態の観察が必要です。中等症以上の弁膜症や人工弁手術後では1年ごとの定期的な心エコー検査を行って、悪化していないかどうか確認することが望ましいです。

詳しくはこちら

心不全

心臓のポンプ機能が低下し、適切な循環動態を保てなくなった状態を心不全といいます。上記で述べた虚血性心疾患・不整脈・弁膜症を含め、あらゆる心疾患の終着点が心不全となります。

心不全は、①静脈血が回収されずに臓器や血管にうっ滞した状態(うっ血)と②動脈血が送り出せず各臓器が酸素・栄養不足になった状態(低灌流)の2つの病態を呈します。急速に進行した場合は、ダイレクトに生命の危機となりますので救急対応と入院加療が必要です。慢性経過の場合は、手足がむくんだり、歩いたときに息切れしたりと、うっ血の症状がでることが多いですが、身体のダルさや食欲低下など心不全の症状とは分かりにくいものもあります。

心不全の診療は、原因疾患の治療だけでなく、寿命が短くならないようにする特別な管理が必要になります。

詳しくはこちら

血管疾患

血管の異常は

  • 動脈硬化などによって血管内径が狭窄して、灌流している臓器が障害される
  • 血栓などが血管に詰まって、灌流している臓器が障害される(急性の場合は塞栓症)
  • 何らかの原因で血管が徐々に拡張し、最悪の場合、破裂する
  • 血管自体の機能がおかしくなり、不適切に攣縮もしくは拡張する

といった様々なものがあります。そして異常のある血管が灌流する臓器によって、非常に多彩な症状・病態を呈します。

血管疾患は、ステント治療やバイパス手術の適応になるものが多く、マイナーな疾患でも見落とさず、治療適応の判断や適切な管理など専門性の高い診療が必要とされます。日常臨床では、脚の動脈が徐々に狭くなる「閉塞性動脈硬化症」や足の静脈がボコボコ膨らむ「下肢静脈瘤」などがよくみられます。

動脈硬化

動脈とは心臓から末梢組織へ血液を送り出す血管で、内膜・中膜・外膜の3層構造になっており、血管内腔は内皮細胞で覆われています。血圧に耐えられるように中膜は平滑筋と弾性線維からなり、伸縮性と弾性を発揮します。大動脈など心臓に近く太い動脈は平滑筋よりも弾性線維を多く含み(弾性動脈)、血管を伸展・収縮させて血圧を調整します。動脈は末梢に行くにつれて細くなっていきますが、中動脈・小動脈の中膜は主に平滑筋でできており(筋性動脈)、平滑筋の収縮・弛緩により血管腔の広さを変えて血流を調節します。さらに末梢の細動脈は交感神経の作用が強くなり、血管平滑筋は持続的に緊張して血管抵抗を生み出しています。血管抵抗は血圧を高く保つ効果があり、各臓器の血管抵抗が増減することにより血流の分配が変化します。

加齢による組織の変化や高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病などによって血管壁にダメージが加わり続けると動脈は弾力性を失って硬くなっていきます。このように動脈が硬く弾力性が失われた状態を動脈硬化と呼びます。動脈硬化とは疾患名ではありませんが、血圧異常や循環障害を引き起こして脳梗塞や心筋梗塞などの心血管イベントの原因となります。

詳しくはこちら

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME