動悸がする
強い負荷で運動した後や緊張しているときなどに「心臓がドキドキする」ことは生理的な反応で問題はありません。
しかし、何も特別なことがないのに「脈が抜ける」「脈が速くなる」「心臓が強く打つ」といった症状がある場合は、病的な動悸である可能性があります。
原因となる疾患
不整脈
正常な脈拍数は1分間に50~100回で、基本的に一定の調律で心臓は拍動しています。
脈が遅すぎたり(徐脈)、速すぎたり(頻脈)、リズムが乱れたりした状態を不整脈といい、進行すると心臓のポンプ機能が低下することもあります。
特に1分間に40回未満の徐脈、もしくは180回以上の頻脈の場合は正常な血行動態が保てなくなる可能性があり、強い動悸として自覚されます。
様々な不整脈がありますが、脳梗塞のリスクとなる心房細動や突然死の原因となる心室頻拍・心室細動など危険な不整脈もあるため、専門医による診察が望ましいです。
交感神経亢進に伴う血圧と脈拍の増加
何らかの原因で自律神経のうちの交感神経が亢進すると血圧上昇と脈拍増加をきたして、安静時でも強い動悸を自覚するようになります。
原因となる疾患は多岐にわたり、貧血、低酸素血症(心不全や呼吸器疾患など)、低血糖発作、甲状腺機能亢進症、精神疾患(不安神経症やパニック障害など)、自律神経失調症などがあり、内科的な診療を受ける必要があります。
薬の副作用
矛盾するようですが、不整脈を抑える薬剤である抗不整脈薬は心筋組織の電気的活動に介入するため、別の種類の不整脈をもたらす副作用があります。
また、利尿薬や一部の降圧薬、骨粗鬆症の治療薬などでは血中のカリウムやカルシウムなどの電解質の濃度を乱し、不整脈を合併することがあります。
受診の目安
安静にしていても明らかな動悸を感じたならば、医療機関を受診したほうがよいでしょう。
息苦しさや「クラッとした」感じを伴う場合は、血行動態が破綻しかけている状態や低血糖発作、低酸素血症など緊急を要する可能性がありますので救急車を呼びましょう。