足の痛み・痺れ
足は多くの骨、筋肉、腱で構成されており、障害を受けると痛みを生じるようになります。
足は荷重がかかる部位であり、軽度の障害でも放置すると進行して痛みが悪化することがあります。
原因となる疾患
外傷
足は荷重がかかった状態で地面に接しているため、ぶつけたり捻ったりと強い外力が加わりやすい部位です。
捻挫や靱帯損傷でも骨折を伴うことがあり、骨折も複数箇所に認めることもあります。
関節リウマチ
関節の骨と骨が向き合う面はクッションの役割を果たす軟骨で覆われています。
さらに関節全体を「滑膜」という薄い膜で覆って保護しています。
滑膜からは関節液が分泌されていて軟骨がこすれ合う時の潤滑油になったり、軟骨へ栄養を補給していたりします。
関節リウマチでは異常な免疫反応によって滑膜に炎症・増殖が起き、関節内のbare areaと呼ばれる軟骨に覆われていない部分の骨が侵食されていきます。
関節リウマチでは足趾の偏位・脱臼をおこし、独特な変形がみられます。
また、外反母趾や扁平足も認めます。
乾癬性関節炎
皮膚疾患である「乾癬」に関節炎を合併した病気で、免疫学的な以上によって皮膚や関節に炎症が生じます。
特徴的な角質が厚くなった赤い発疹が出現した後に、指先・手首・膝・足首などに痛みを伴う腫脹が生じ、進行すると様々な変形を呈します。
関節の腫脹は紡錘状で「ソーセージ指」などと表現されます。
痛風
血中の尿酸値が高くなると尿酸とナトリウムが結晶を作ります。
この尿酸塩結晶が皮膚や関節などに沈着して炎症をおこすと強い痛みを生じます(痛風発作)。
痛風性関節炎はどの関節でもおこりますが、足の親指の付け根が好発部位で全体の7割を占めます。
足首が痛くなる方もいます。
偽痛風
痛風によく似た関節炎で、機序は不明ですがピロリン酸カルシウムが関節軟骨などに沈着して炎症を起こします。
最も多いのが膝関節ですが足首にもよくおこります。
化膿性関節炎
関節内は無菌状態ですが血流も乏しく免疫細胞が活動しづらい部位でもあるため、ひとたび病原体が入り込むと重大な感染症を起こすことがあります。
化膿性関節炎は急激な痛みや腫れが生じ、数日以内に関節破壊に至ります。
膝や足首、股関節などの下肢に発生することが多いです。
人工関節置換術を行った方やステロイド・免疫抑制薬などを内服している患者、糖尿病患者などに起こりやすいことが知られています。
受診の目安
足は荷重のかかる部位なので痛みを我慢して歩き続けていると悪化することがありますのでご注意ください。
以下のようなケースでは骨折や関節炎の可能性があるのですぐに医療機関を受診しましょう。
- 受傷機転がある
- 歩けないほどの強い痛み
- 大きく腫れあがっている、血腫を伴う
- 熱感を伴う関節腫脹、38℃以上の高熱