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気管支喘息

気管支喘息とは

アレルギーなどによって気管支に慢性的な炎症が起きて狭くなることで呼吸がしにくくなる疾患です。気管支喘息は、ダニやペットの毛、カビなどのアレルギー物質によるアトピー型喘息と、アレルギーを介さない非アトピー型喘息の2つに分けられます。典型的な症状は咳・痰を伴う発作的な息苦しさで、就寝後に咳や息苦しさで目が覚めたり、朝方に咳が出て目が覚めたりすることが特徴的なエピソードです。

なぜ気管支喘息になるのか

何らかの原因で気管支に強い炎症が起こると、気管支が狭くなり一連の症状が出現します。初期では炎症の強さによって気道狭窄や呼吸器症状は変動性があり、発作的に出現したり寛解したりします。しかし炎症が何年も繰り返されるうちに、気管支の壁は徐々に厚くなり、内腔は狭くなっていきます。この変化を気道リモデリングといい、気道リモデリングが進むと気管支喘息の発作は長く、症状は強くなり、治療に対する反応性も低くなっていきます。

気管支喘息を放置するとどうなってしまうのか

上述のように気管支喘息は気道の炎症が繰り返し続けるとリモデリングが進行して難治性かつ重症化します。重症例では気道が非常に狭くなって痰などが容易に詰まるため、急激な低酸素血症からチアノーゼや意識障害になり、最悪の場合は死に至ることもあります。近年は治療薬の進歩などにより喘息死は減ってきていますが、2016年には日本国内で1511人が喘息でなくなっています。喘息死の約9割が65歳以上の高齢者であり、高齢の喘息患者さんは注意が必要です。

どうすればいいのか

気管支喘息の管理の要は気道リモデリングの予防です。リモデリングが進行してしまった場合、治療がないわけではないですが高額であったり侵襲的であったりとやたら面倒なことになります。現在、気管支の炎症を抑えてリモデリングを予防する効果が最も高いとされているのが吸入ステロイドです。吸入ステロイドは薬剤を吸い込むことで直接気管支にステロイドを効かせることができるので、ステロイド特有の全身性の副作用がほぼ生じず、気道の炎症を抑えることができます。ここで重要なのは、吸入ステロイドは予防治療であり喘息発作がないからといって自己中断してはいけないことです。発作が月に1回もないような場合は、予防薬なしで発作時の治療薬を頓用で使用するだけの管理にすることもありますが、基本的に主治医の指示に従うようにしましょう。

セルフケアとしては、風邪などの予防やアレルゲン回避が重要ですが、タバコの煙や大気汚染物質(排気ガス、PM2。5など)は明らかな増悪因子ですのでできるだけ避けましょう。肥満や激しい運動なども喘息発作や治療抵抗性との関連が指摘されており、心当たりがある方は是正した方が良いでしょう。

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