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虚血性心疾患

虚血性心疾患とは

血液を全身に送るポンプの働きをしている心臓には、心臓の筋肉(心筋)に栄養を送り込むための専用の血管「冠動脈」があります。冠動脈がさまざまな原因で細くなったり閉塞したりすると、心筋に十分な血液が送られなくなり、その状態を「虚血」といい、心筋虚血に関連した心疾患を「虚血性心疾患」と呼びます。

典型的には胸が締め付けられる感じ、胸部圧迫感、胸痛などの症状が出現します。無症状のときもあれば、顎や左肩など胸以外の場所に痛みや不快感を感じることがあります(放散痛)。

なぜ虚血性心疾患になるのか

冠動脈の血流を低下させる病態で虚血性心疾患に至ります。ほとんどが動脈硬化による冠動脈狭窄によるもので、この場合は動脈硬化に関連する生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)が背景にあることが多いです。動脈硬化以外では、血栓症、冠動脈の痙攣(冠攣縮性狭心症)、慢性的な高度貧血、ショック状態など極度の低血圧などで冠動脈の血流が低下します。

虚血性心疾患を放置するとどうなってしまうのか

心筋虚血は直接的に心臓のポンプ機能を低下させるので、虚血範囲が大きい場合は心不全を発症します。心不全の原因としても虚血性心疾患は約8割を占めます。心筋虚血が改善されず心不全が進行した場合、肺水腫や臓器障害を来たし、最終的には死に至ります。

虚血範囲が小さい場合でも、心筋組織を電気的に不安定にさせて不整脈が発生しやすくなります。不整脈も心臓のポンプ機能を低下させて心不全のリスクを高めますが、心室頻拍などの一部の不整脈は突然死の原因となります(致死性不整脈)。

また、弁の支持組織の周辺が虚血に陥ると二次的に心臓弁膜症を引き起こすことがあります。こちらも心臓のポンプ機能を低下させて心不全のリスクを高めることになります。

どうすればいいのか

虚血性心疾患はその患者の寿命を直接的に縮める病気なので、未治療で放置することは絶対にやめた方がいいです。冠動脈ステント留置やバイパス手術などの血行再建を行うことで、心筋虚血を解除して心臓が正常な状態に戻せる場合があります。再発予防については原因となる疾患によって異なりますが、動脈硬化による冠動脈狭窄が原因の場合は、高血圧や糖尿病などの危険因子を是正する必要があります。いずれにしても循環器専門医による治療・管理を受けることが肝要です。

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