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HPVワクチン

HPVワクチンは、子宮頸癌の主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ不活化ワクチンです。子宮頸癌のほか、中咽頭癌や肛門癌、尖圭コンジローマなどの予防にも効果があります。小学校6年生から高校1年生相当の女性を対象に、公費による無料の「定期接種」が行われています。また、男性のへ接種は「任意接種」ですが、感染予防やパートナーへの感染防止の観点から、板橋区では男性も助成を受けられるようになっています。

 

対象者

HPVワクチンは9歳以上であれば性別を問わず接種可能です。性交渉を開始する前の接種が最も効果的とされていますが、それ以降の年齢でも感染予防効果が期待できます。

接種できない人

・明らかに発熱のある人(37.5℃以上が目安)

・急性疾患に罹患している人

・過去にHPVワクチンを接種して強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)をおこしたことがある人

・妊娠中の人(安全性が確立しておらず非推奨)

 

費用

商品名:シルガード9

費用(税込):1回27,500円(定期接種・助成事業の対象者は無料)

定期接種

小学校6年生から高校1年生相当の女性は1回につき全額の助成が受けられます。

助成事業(任意接種)

小学校6年生から高校1年生相当の男性は1回につき全額の助成が受けられます。

自治体によって助成事業が違う場合がありますので、板橋区以外にお住まいの方は助成内容をご確認ください。

 

投与方法

スケジュール

年齢により接種回数が異なります。

<15歳未満で接種を開始する人>

 ・ワクチン 0.5mLの筋肉内注射を合計2回行います

 ・1回目から5か月以上の間隔をおいて2回目を注射します(6ヶ月あけるのが標準的)。

<15歳以上で接種を開始する人>

 ・ワクチン 0.5mLの筋肉内注射を合計3回行います

 ・1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を注射します(2ヶ月あけるのが標準的)。

 ・2回目から3か月以上の間隔をおいて3回目を注射します(6ヶ月あけるのが標準的)。

他のワクチンとの接種間隔

HPVワクチンは不活化ワクチンですので他のワクチンとの接種間隔の制限はありません。

ただし他のワクチンを同時に接種すると、副反応が出たときにどちらのワクチンによるものか判断しにくくなることがあります。

接種スケジュールの間に、他の種類のHPVワクチン(ガーダシルなど)からシルガード9へ変更することは問題ないとされています。

 

ワクチンについて

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主に性交渉によって皮膚や粘膜に感染します。性経験のある女性の約80%が一生に一度は感染すると言われており、男女問わず誰でもかかる可能性があります。

多くの場合、感染しても自覚症状はなく、約90%は2年以内に自然消失します。しかし加齢や免疫力低下などでウイルスが消えずに持続感染することがあります。

HPVには200種類以上の型があり、そのうちの15タイプが高リスク型とされ、長期間の持続感染によって子宮頚癌や肛門癌などを発症することがあります。低リスク型のHPVは尖圭コンジローマの原因となります。

子宮頸癌

子宮頸癌は子宮の入り口(子宮頸部)にできる癌で、日本では年間1万人以上が罹患し、近年では20~40代の若い世代で発症が増えています。

ほとんど全てのケースで、高リスク型のHPVの持続感染によって数年から10年以上の長い年月をかけて、前癌病変(異形成)から子宮頸癌へと進行して発症します。前癌病変(異形成)の期間が長いことが特徴で、定期的に子宮頸がん検診(内診・細胞診)を受けていれば、前癌病変(異形成)の段階で発見することができ、癌に進行してから見つかることはまずありません。

HPV感染を予防するワクチンと子宮頸がん検診を組み合わせることで、ほぼ確実に子宮頸癌の発症を防ぐことができます。

ワクチンの効果

シルガード9には2つ低リスク型(6, 11型)と7つの高リスク型(16, 18, 31, 33, 45, 52, 58型)のHPVに対する有効成分が含まれており、定められたスケジュールで接種した場合、対象の型のHPV持続感染や子宮頸癌の前癌病変(異形成)を95%前後予防できるとされています。癌への進行は10年以上の長い年月がかかるため、HPVワクチンの子宮頸癌に対する有効率はまだ確定していませんが、初めての性交渉前(HPV未感染の状態)に接種した場合、子宮頸癌の予防効果は約99%期待できるとされています。

また、尖圭コンジローマや肛門癌などは女性だけでなく男性に対しても高い予防効果が期待できます。

副反応

・頻度10%以上:局所症状(注射部位の痛み・腫れ・赤み)、頭痛

・頻度1-10%:浮動感、悪心、下痢

・頻度1%未満:喉の痛み、腹痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛

ごくまれに起こる重い副反応としては以下のものがあります。いずれも数十万~100万接種に数例の頻度で報告されており、心配する必要がないほど極めて稀といえます。

・アナフィラキシー:ワクチンに含まれる成分に対して体内の免疫システムが過剰に反応することで起こる重篤なアレルギー反応です。蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難、腹痛・嘔吐などが出現します。

・血小板減少性紫斑病:体内の免疫システムが血小板を誤って攻撃してしまうことで起こる合併症です。出血しやすくなることで内出血(青あざ)や粘膜出血(鼻血、歯肉出血)、血尿などが出現します。

・ギラン・バレー症候群:体内の免疫システムが末梢神経を誤って攻撃してしまうことで起こる合併症です。四肢の痺れ・筋力低下、歩行困難などが出現します。

・急性散在性脳脊髄炎(ADEM):体内の免疫システムが脳や脊髄などの中枢神経を誤って攻撃してしまうことで起こる合併症です。発熱、頭痛、意識障害、痙攣、四肢の麻痺などが出現します。

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