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おたふくかぜワクチン

おたふくかぜワクチンは、ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)を防ぐための生ワクチンです。高い発症予防効果に加えて、髄膜炎・精巣炎・難聴といった合併症や後遺症の予防ができるため、「任意接種」ですが対象者は自治体からの助成が受けられます。

 

対象者

おたふくかぜワクチンの接種対象者は、主に1歳以上で流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にかかったことがない人です。

大人でも流行性耳下腺炎にかかったことがなく、予防接種も受けていない人は対象となります。特に、子供と接する機会が多い人に推奨されます。

接種できない人

・おたふくかぜワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)をおこしたことがある人

・妊娠していることが明らかな人

・免疫機能に異常のある疾患をお持ちの方、免疫抑制薬(ステロイドの経口投与など)を投与されている人

 

費用

商品名:おたふくかぜ生ワクチン

費用(税込):1回5,500円(助成対象者は2,200円)

助成事業(任意接種)

1回目:1歳の誕生日前日〜2歳の誕生日前日

2回目:小学校就学前年度(幼稚園の年長に相当)

このスケジュールで接種すると1回につき3,000円の助成が受けられます。

自治体によって助成事業が違う場合がありますので、板橋区以外にお住まいの方は助成内容をご確認ください。

 

投与方法

スケジュール

ワクチン0.5mLの皮下注射を合計2回行います。

1回目と2回目の間隔は28日以上あければ接種可能です。

1歳のときに1回目を接種し、小学校の集団生活に入る前までには2回目の接種をするとよいでしょう。板橋区の助成事業の対象期間に接種すれば安く接種できます。

大人の方で接種を2回を行なっていない人、おたふくかぜに感染したことがない人もワクチン接種が推奨されます。

他のワクチンとの接種間隔

注射による生ワクチン同士は27日以上の間隔を空ける必要があります。

不活化ワクチンや経口生ワクチンは接種間隔の制限はありません。

 

ワクチンについて

流行性耳下腺炎

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、ムンプスウイルスによる感染症です。潜伏期間は2〜3週間と長く、症状のない不顕性感染や発症前からでもウイルスを排出するため季節性インフルエンザよりも高い感染力をもつとされています(基本再生産数:ムンプス 4~7、インフルエンザ 1~3)。特に保育園や幼稚園、小学校など子供が集まる場で爆発的に流行することがあります。

耳の下や顎の下の唾液腺が腫れて、痛みや発熱を伴うのが一般的な症状です。通常1〜2週間で自然に治まりますが、ごくまれに無菌性髄膜炎、脳炎、難聴、精巣炎・卵巣炎、膵炎などの合併症が出現することがあります。

ムンプスウイルスの感染は終生免疫(一生涯続く免疫)を獲得するので再感染をおこすことは稀です。

ムンプス難聴

流行性耳下腺炎の約0.1%でムンプス難聴と呼ばれる合併症が生じます。両耳のこともありますがほとんどが片耳だけの難聴で、急速に進行して聴覚はほぼ完全に失われます。有効な治療法はなく、失われた聴覚が回復することはありません。

ムンプス難聴になるかどうかは流行性耳下腺炎の重症度とは無関係で、無症状の不顕性感染でも合併します。また、小児の場合は難聴になってもすぐには気づかれないことも多く、流行性耳下腺炎に合併したと認知されないまま「原因不明の難聴」と診断されてしまうケースが相当な数あると推定されています。そのため、ムンプス難聴の実際の発生率は1000人に1人を遙かに超えるとも考えられています。

予防接種を受けて流行性耳下腺炎にかからないようにすることがムンプス難聴を回避する唯一の方法とされています。

ワクチンの効果

1回目の接種で有効率80%前後ですが、数年で免疫力が低下することがあります。2回目の接種を受けることで有効率は95%前後に上昇し、免疫維持が得られます。髄膜炎や難聴などの合併症はほぼ発生しなくなるとされています。

非常に効果の高いワクチンですので世界的には多くの国で予防接種が義務づけられており、先進国では流行性耳下腺炎は制圧された昔の病気となりつつあります。残念ながら本邦では、任意接種に加えて万年在庫不足という事情もあり接種率は40〜60%と高くありません。いまだに流行性耳下腺炎の大規模流行が数年〜十年毎に繰り返され、毎年数百人以上のムンプス難聴患者が発生していると推定されています。

また、流行性耳下腺炎にかかったときの終生免疫やワクチンで獲得した免疫は絶対ではなく、加齢や薬剤などで減衰することがあります。血液検査でムンプスウイルスの抗体価を調べることで、現在の免疫力を調べることができますので、大人の方で予防接種を受けた方がいいかどうか知りたい場合はご検討ください。

副反応

耳下腺腫脹(1〜3%):弱毒生ワクチンですので、流行性耳下腺炎と同様の耳下腺腫脹が接種後2〜3週間後に発生することがあります。

・無菌性髄膜炎(0.05〜0.001%):流行性耳下腺炎に合併したときより遙かに低い発生率です。そもそもムンプスウイルスによる髄膜炎は後遺症が残ることがほとんどありませんので、そこまで心配する必要はありません。

・難聴(ほとんどなし):数十万〜200万接種に1人の発生率とされており、心配する必要がないほど極めて稀といえます。

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